まいの闘病日記(第5回)


■第5回■  藁をもつかむ思いの代償
〜月10万円という治療法〜


 

約2年の月日を過ごしたアパートを去り、実家での生活が始まりました。私の家族は、会社員の父と祖母の二人。私の両親は私が2歳の時に離婚しました。私は母と二年くらいしか一緒にいたことがなく、乳児だった私には母の記憶は何ひとつ残っていません。

私の実家はとある市の郊外にあります。“ど”がつくぐらいの田舎で、自転車を20分くらいこがないと、コンビ二すらないというとても辺鄙なところ。ほぼ毎日家の中で家事の手伝いをしたりテレビを見たり、そして時々市内や街へ出かけたりといった生活。初めて行った精神科にがっかりさせられた私は、病院に通うことはしていませんでした。この頃の私は、仕事から解放されてほっとした反面、将来への漠然とした不安感や緊張感が強くありました。また、のどつかえ、頻尿、冷や汗などの自律神経失調症状が出たり消えたり。

ある日私は、異常な事態に気がつきました。退院してからの3ヶ月間、一度も生理が来ていないのです。私はもともと生理不順で1ヶ月くらい来ないことはわりとありました。そのため生理が遅れてもさして気にしてはいませんでした。しかし、成人女性が3ヶ月も生理が来ないというのはいわゆる無月経。気になった私は婦人科へ。そしてホルモン剤を処方され、薬で生理を来させるという方法を取りました。

7月の末頃、叔母が新聞でとある治療院の広告を見つけてきました。「問い合わせをした所、病院ではないから保険が利かないが、絶対に良くなります!」と。早く健康になりたいという思いが強かった私は、小さい頃から貯金してきた10万円を思い切っておろしました。その治療院の先生は少々怪しい感じがしました。今の私なら冷静に判断できるのですが、当時の私はそれができなかったのです。

その治療院は、催眠療法+自立訓練法を行っていて、治療法そのものは、全く誤ったものではありません。しかし、これは後々に精神科の先生から聞いた話ですが、催眠療法は人により合う、合わないがあるそうです。また、催眠はかかりやすい人とかかりにくい人がいるそうで(私の場合後者でした)かかりにくい人程治療に時間がかかるそうなのです。私はそういったことは全く聞かされませんでした。

私は、1ヶ月間、1日おきに通っていましたが、全く変化はありませんでした。それどころか、セクハラ的な行為をさせられ、とても不快な気持ちが残りました。将来何に使おうかと楽しみに貯めてきたお金がこんな形で消えようとは・・・。このことを思い出すたびに、未だに虚しさと悲しさを感じるのです。

そしてこの後私は、さらに深い苦しみの世界に足を踏み入れてゆくのでした。

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