まいの闘病日記(第8回)
| ■第8回■ ココロノ傷跡 |
私の、のどつかえと吐き気地獄の根底にあったものは、その後の経過の中で心理的なものであるということが、明確になりました。それは、内科で制吐剤を点滴したり、胃薬を服用したりしても全く良くならないのに対し、安定剤を注射してもらうと、嘘のようにすっきりしてしまうという点でした。それからは、安定剤の服用と月に1〜2回程度の注射という治療を行うことになりました。ほんの数時間だけでも症状から逃れることで、安息が得たかったのです。注射がクセになってしまわないかという点は気になりました。しかし、自分は薬に溺れるような人間ではないと信じました。内服薬が効を相じ、注射は徐々に回数が減り、数ヶ月後には、注射をする程の状態ではなくなっていました。しかし、慢性的なのどつかえと吐き気には数年間、悩まされたのです。 私のこのような状態には嘔吐恐怖が大きく関係していたと思います。当時の私は、暗闇の中を手探りで歩いているようなとても不安定な状態。当然、自分のことを冷静に判断することなどできるはずもありません。 数年後、自分のことをだいぶ冷静に見つめられるようになってきた頃、これは嘔吐恐怖なのではないかと思いました。私には、何となくそのきっかけとなった出来事が思い当たったのです。 ------------------------------- 小学校1年生の時のある日の給食の時間のことです。私は、急に吐き気がし、その場で吐いてしまったのです。先生は、私の側に寄ると開口一番「赤ちゃんじゃないんだから、気持ち悪くなったら水道とか、トイレに行きなさい!」と強い口調で怒ったのです。他の子の時は、怒らないのに・・・。私は、どうして私だけ怒られたんだろう・・・?という漠然とした疑問と同時に、「私はいけないことをしてしまったんだ・・・」「私は恥ずかしいことをしてしまったんんだ・・・」という思いが焼きつきました。 このことを、当時通っていたクリニックの先生に話すと、「おそらくそれが小さなトラウマのような形になって残り、きっかけとなるような出来事に遭遇したことで発症したのではないか」とのことでした。このような子供の頃に与えられた傷は、大人になってから顔を出すことが多いらしいのです。数年間に渡って悩まされ続けた、のどつかえと吐き気はおそらくこの「嘔吐恐怖」だったのでしょう。 そして、暗闇からの脱出が少しずつ始まろうとしていました。 |
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